四日間の奇蹟

排水まわり清掃も無事終わったので、夜は今年33本目の映画「四日間の奇蹟」を見に行く。

岩村真理子(石田ゆり子)が働く小さな島の療養センターに、如月敬輔(吉岡秀隆)千織(尾高杏奈)を伴ってピアノの慰問コンサートにやって来る。
5年前、発砲事件に巻き込まれた敬輔は、千織の命を救った代わりに左手を負傷し、ピアニストとしての将来を断念したが、孤児となった千織を引き取り、生まれつき脳に障害のあるその少女から天才的なピアノの演奏能力を引き出していた。
普段は人見知りの激しい千織だったが、明るく優しい真理子にはすぐに懐くのだった。


この映画、見る予定ではなかったのだが、「よい」という噂を聞いたので、軽い気持ちで見に行ってみた。
確か、吉岡秀隆が、ピアノを見るのもイヤになるほど練習に励んだ…というようなことを言っていたメイキング特集番組をボンヤリ眺めた気もするのだが、ほとんど予備知識無しでのぞんだ。
かえってそれが功を奏したようだ。

もしもこれからこの映画を見る人がいたら、私と同様、事前に公式サイトさえ見ないことをオススメしたい。
(私もネタばれにならないよう、核心にあまりふれずに話を進めよう…。)

また、この手の設定の映画があまり好きではなくて、今まで(どれとは具体的には言わないけど)この手の映画をほとんど見ていなかったのも、さらに効果的だったかもしれない。

映画を見ても、ほとんど(というよりまったく)涙など流さない私だが、不覚にもちょっと涙がこぼれてしまった。
ワーッと泣くのではなく、気づいたらハラリと涙が頬をつたっていた、という感じ。

キャスティングもよいのだろう。
皆、静かに抑えた演技で訴えかける。

私は、「ほーら、ここが泣き所ですよ」みたいな盛り上げ方の映画だと、かえって興ざめしてしまうのだが、この映画は、静かにじわじわとしみいるように感情のツボをつく。
それゆえ、気づいたら涙が…という事態につながる。

尾高杏奈は映画撮影時は、まだ14歳くらいだと思うが、彼女の演技力が本当に素晴らしい。

石田ゆり子演ずる真理子は「自分の価値」を認めたがっていたけれど、私は彼女のその想いにとても共感できた。
大勢の人にとって価値ある存在になることなど望むべくもないけど、たった1人でもよいから、誰かにとって価値ある存在になれたらいいなぁ。

四日間の奇蹟” への5件のフィードバック

  1. エモーショナル★ライフ のコメント:

    四日間の奇蹟

    年の初めに見るにふさわしい映画だったと思います。
    心洗われる思いがしまた。
    思ったほど泣けませんでしたが・・・
    朝倉卓弥原作の同名小説を、吉岡秀隆と石田ゆり子の共演により?
    突然ではありますが、今回は競馬でも高校野球でもなく映画の話題をお届けします。
    私は結構、映画を見るのが好きで(一説には寝るのが好きとか)多い時は毎月観に行っています。子供と行きますので「コナン」「着信あり」「交渉人・真下」など観ました。もうかなり昔になり…
    私は映画を観る時、定価(1800円)で観る事は殆どありません。毎回そんな金払って観てたら路頭に迷っちゃうので、前もって観たい映画の時は前売り券(だいたい1300円)を買ったり、公開後に観たくなったらレイトショー(1200円)で観たりしてます。他にメジャ…
    ■ 四日間の奇蹟
     
     
     第1回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した、浅倉卓弥の大ベストセラー小説「四日間の奇蹟」を映画化した本作。原作では不遇のピアニスト(如月敬輔)の視点で描かれているが、この作品の中心は、石田ゆり子が演じ…
    本日3本目は「四日間の奇蹟」です。
     
    全体的に地味な感じですが、人間味がよく出ていて、優しさがあふれてる作品でした。あたたかい気持ちにさせられます。
    先週の「ミリオンダラー・ベイビー」と同じく「生きること」について考えさせられました。
     
    ネタバ
    映画「四日間の奇蹟」開映18:35@錦糸町シネマ8楽天地
    「四日間の奇蹟」2005年 日本
    配給:東映
    監督・脚本:佐々部清 
    原作:浅倉卓弥 
    プロデュース:菊池淳夫ほか 
    脚本:砂本量 
    撮影:坂江正明 
    音楽:加羽沢美濃 
    主題歌:平原綾香「Eternally…
     異国の舗道(アスファルト)に響いた銃声、少女の叫び、
     血に染まるピアニストの指先。
     …“奇蹟”への序奏は、そこから始まった。
     
    ■監督 佐々部 清
    ■脚本 佐々部 清、砂本量
    ■原作 浅倉卓弥(「四日間の奇蹟」、第1回「このミステリーがすごい!」大賞…
     卒業式、学生服の第二ボタンが取られている男子生徒はモテてる証拠。え?え、ええ、もちろん見栄をはって第二ボタンははずしておきましたよ・・・ぁぁ、懐かしい。
     韓流純愛路線やイマアイに代表されるファンタジーな邦画路線が佐々部監督にまで影響を与えた。わかり…
    「四日間の奇蹟」を見てきました。 この映画実はうちの会社が製作委員会に参加しているんです。 初の公式委員会参加! 予告編以外の情報はほとんど知らずに見たのですが、 なるほどこういう映画だったのですね。 不思議な要素がある映画ではあるものの、決して大口には…

  2. こまったちゃん のコメント:

    なんかねー、泣けちゃうんですよねー。
    キャストもロケーションも音楽もよかったなぁ。
    期待していなかった分、それらがとても染みました。

  3. まきまき のコメント:

    {グズン}こまったちゃん
    たぶん原作読んでると、また感想違ってくると思うのですが、
    私は知識ゼロで行ったのでよかったです。
    「なんか」泣けます。ハイ。

  4. MIYAUCHI のコメント:

    こんばんは、はじめまして。
    佐々部清監督の新作です。
    全国は10月公開ですが、地元では9/17から
    公開されています。
    よろしかったら、観てくださいね。

  5. まきまき のコメント:

    {家}MIYAUCHIさま
    TB&情報ありがとうございます。
    「カーテンコール」のチラシは前に映画館に
    行った時にもらってきました。
    いちおうチェック済みなので、公開されたら
    見に行ってみたいです。

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