「告白」(小説&映画)

昨日、友人と今年13本目の映画「告白」を見に行った。
公開初日とあって、かなりの人気ぶり。
ちょっとナメてかかって上映15分まえにチケットを買いに行ったら
2人並んで座れるのは、スクリーン前だけ。
私らは別にカップルじゃないので、バラバラの席で鑑賞した。

湊かなえの「告白」は、本屋大賞を受賞して
話題になった時からずっと気になっていたけど、
文庫本が出るまで待とう、と決めていた。

文庫本発売後に、即購入。
ただ、映画公開前だったので、
見てから読むか、読んでから見るか、と悩んで
しばらく読まずに取っておいた。

でも、
いつも、本や映画の話題で盛り上がる美容師さんに
「ものすごくおもしろいですよ」と言われ、
結局、その日の晩から読み始めて、
あっという間に読み終えてしまった。

結果、先に小説を読んで正解かな。

良きにつけ悪しきにつけ、
ビジュアルや音で感じた恐怖や凄惨さは、
どうしても記憶に刷り込まれてしまう。

一方、刷り込みの無い、まっさらな状態で
文字だけを追うと、私なりの解釈で
恐怖や凄惨さを感じることができる。

中島監督が、この小説の魅力は、
読者がいろいろな解釈ができるところにある、
みたいなことを言っていたけど
読後に映画を見ると、なるほど中島監督はこう解釈したのね、
とその違いをも楽しめるように思う。

今までの中島作品から想像されるポップな映像は皆無。
「嫌われ松子…」はあの暗い話がこうなるか、ってくらい
中島監督なりの大胆解釈が際立ってたけど、
今回の「告白」はかなり原作に忠実。

もちろん、随所随所は原作と違う設定や流れがあったけど、
そのほとんどはあまり気にならなかった。
ただ唯一、美月の初恋の人のエピソードは残したほうが
よかったんじゃないかなぁと思ったり。
(そのほうが、彼女の末路も納得がいくんだけど。)

「下妻…」がけっこうスキだったのに
「嫌われ松子…」のあまりの変貌ぶりにショックを受けて、
少しだけアンチ中島になって「パコ…」は見なかった私だけど、
この映画で見直した!(とは、私に言われたかないだろうけど)
という感じ。

ここまで、今までと違うタッチの映画が撮れる、
その振れ幅の広さはさすが。
もちろん、好きに茶化して、ただのエンタメで
終わらせちゃいけないような原作だからかもしれないけど。

劇場内には
制服姿の学生(R15+だから高校生?)もけっこういたけど、
彼らはこの映画をどう解釈するんだろうか。

「告白」(小説&映画)” への4件のフィードバック

  1. マツシマユキ のコメント:

    わ。さっそく見に行かれたんですね。
    かなり評判いいですよね。
    期待大です!
    私も下妻物語が好きで
    松子であれっ…ってなって
    パコはみてません・・・

  2. まきまき のコメント:

    {本}マツシマさん
    原作読んでいても、映画は映画でドキドキできました。
    でも見終わったあと、どーっと疲れますが。
    森口先生の言動が、原作とちょいちょい違いますが、
    そこが映画ならではの脚色かも知れませんね。
    あとでもう一回、本を読み直そうかなぁと思います。

  3. 虫まま のコメント:

    まきまきさんの日記を読んで、この映画だけは絶対観たい!と思ってました。
    でもコメントはみてからしようと。
    今日、やっとコメントできるようになりました。
    いやいや、おもしろかった!
    久々に他人にお勧めしたい映画を観ました。
    洋画を押しのけて、何週もランキングのナンバーワンになっていただけのことはありますねぇ。
    原作もおもしろいんですね。
    早速、映画の後に買ってみました。(まだ読んでないけど)
    夏休みの宿題です。
    楽しみ~~♪

  4. まきまき のコメント:

    {晴}虫ままさん
    お返事おそくなってごめんなさい。
    「告白」なかなかだったでしょ?
    原作本も楽しめると思います。
    これって、珍しく、映画と本、
    どっちが先でも両方楽しめるんじゃないかな。

虫まま へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。