今日はサクッと仕事を切り上げ、会社帰りに今年6本目の映画となる「スーパーサイズ・ミー」を見に行った。

昨年、アメリカで公開されて話題になった時から、ずっと日本での公開を楽しみにしていたのだ。
だって

「マクドナルドのメニューを1日3食30日間食べ続けたら人間の体はどうなるか」

なんていうテーマ、結果がとっても気になるではないか。

ところが、いざ日本での公開が決まったら（ちょっと予想はしていたけど）上映館が少ない…。
そういや雑誌「AERA」にもこんな記事があった。
雑誌・新聞ではこの映画の紹介記事がいくつか散見されたものの、こと日本においては、マクドナルドは大いなる広告主様だからか、テレビで取り上げられる機会がほとんど無いそうだ。
そのためか、思ったよりも話題になってないですよねぇ、この映画。

内容は、10代の少女2人が「自分たちが肥満になったのはハンバーガーが原因」とマクドナルドを訴えたというニュースがきっかけで、監督のモーガン・スパーロックが、単に自己管理のみの問題なのか、はたまたファーストフードにも人体に悪影響を及ぼす何らかの要因があるのかを探るべく、自らのカラダを実験台に究明に取り組んだドキュメンタリーである。

この取り組みにあたっては、いくつかのルールがある。

マクドナルドにあるメニューだけを食べて30日間を過ごす
必ず1日3食とる
「スーパーサイズ（この映画がサンダンス映画祭で上映された後、販売中止となってしまった今や幻のエクストラビッグなセット）」をすすめられたら、必ずそれをオーダーする
店にあるメニューはすべてトライしてみる
必要以上に運動しない

そのかわり、3人の医師による定期的な診断と、栄養士と運動生理学の専門家のアドバイスを受ける。（実際のところほとんどアドバイスは受け入れないが…）

スパーロックはひたすらマクドナルドメニューだけを食べ続ける。
おすぎが「とにかくハンバーガーばっかり食べるから、見てて気持ち悪くなるわよ」と言っていたけど、私はむしろスパーロックが意外においしそうに食べていたので、ちょっとホッとした。
粗雑に扱っていたり、汚らしく食べていたり、イヤイヤ食べているようでは（ほんとに具合が悪くなってるシーンもあるが）、ただただハンバーガーのイメージが悪くなるだけで、ちょっとそれだとフェアじゃない感じだもの。

とはいえ、スパーロックのカラダは変調をきたす。
極度の体重と体脂肪の増加はもちろん、倦怠感、頭痛などの症状、さらには肝臓も…。
もちろん、医者は中止した方がよいと警告するが、それでも彼はやめない。
栄養士にサプリメントの摂取をすすめられても、医者にクスリの服用をすすめられても

「マクドナルドに売っていないから」

とあくまでもルールを守り抜く姿勢には、アホかと思えなくも無いけど、意志の強さにはアタマがさがる。

誰もの身近にあるテーマだけど、誰もトライはしてみなかったテーマ。
それに自らのカラダを賭してまで、体当たりで取り組んだドキュメンタリーだからこそ、訴えかけるものがある。

最近、ドキュメンタリーものと言えば、やはりマイケル・ ムーアなわけだけど、「ボウリング・フォー・コロンバイン」といい、「華氏911」といい、結局、銃犯罪や戦争をなくすには、どうしたらいいのだろうという疑問に対して、私はあまり明快な解が得られなかった気がする。

その点「スーパーサイズ・ミー」は明快だ。
スパーロックのトライ結果を見ても、ファーストフードを極度に摂取すると、少なからず人体に悪影響を及ぼすことは事実。
が、毎食何をどれくらい摂取するかは、結局、自己管理の範疇なんだけどね。

そう、この映画を見てもなお、私はこれからもファーストフードを食べるだろうし…。