今日は、先々月にウチの会社を退社されたおじさまとお食事に。
ちょっと気取って、すくい湯葉とお豆腐会席のコースを個室にていただいた。
…といってもふたりっきりで、ではなく、以前の職場の先輩も一緒。
この先輩もすでに退社されているのだが、先輩が新入社員のときに上司だったのがおじさま。
そんなご縁もあって、前にもこのメンバーで飲んだことがあり、おじさまが転職先で落ち着いた頃に飲みましょう、という約束になっていたのだ。

おじさまは、相変わらずステキだった。
退社直前もとても余裕そうに見えたので、これはキャリアと人脈を生かして、要領よく転職先を見つけたのだなぁ、と思っていたのだが、実はそうではなく、ふつうにいくつもの会社の面接を受け、しかもギリギリまで転職先も決まっていなかった、という秘話（）をうかがった。
「実はね、綱渡りだったんだよ」と笑いながらさらりと言ってのける。
しかも、退社を決意するまでにはいろいろと葛藤もあったようだが、結果、今の職場と仕事には、充分満足しているとのこと。（これもさらり、とおっしゃる。）

「会社の周りのお店もいろいろ開拓しておくから、こちらに来る機会があったらぜひまた一緒にね」とのお言葉に、ぶるんぶるんと大きくうなずく。
もう完全に先輩のことは、そっちのけ。（笑）
もちろん先輩もお元気そうで何よりだったのだが。

乗り換え駅でおじさまと一緒に下車し、駅構内でお別れする。
余韻に浸りながら、エキナカの本屋で角田光代の短編を1本立ち読み。（本を買え）
そのあと始発電車に座って発車を待っていたら、車内は空いているのに妙にぴったりと近寄って座る輩がいる。
すわ、ヘンなヤツかと思って、隣を見たらダンナだった…。
「ラーメン食べてきた」という彼は、ニンニクくさいし

…と、いきなり現実に引き戻された帰り道だった。