今日は客先に訪問して打合せ。
帰りにちょっと足をのばして、日比谷に向かい、今年59本目の映画「ふたりの5つの分かれ路」を見る。
ある一組のカップルの離婚調停のシーンからこの映画は始まる。
そして、夫がある告白をしたディナーの席、長男の出産、結婚式とその夜、ふたりが恋に落ちたきっかけへと時間軸は逆に回転する。
結末を承知の上で、彼らの節目節目の出来事を遡ってみると、ふたりの関係がどのように築かれ、どのように変化し、どのように終末へと向かっていったのかが、おぼろげながら見えてくる。
ただ、そこはフランソワ・オゾン、決定的な解をこれ見よがしに見せたりはしない。
その解釈は、見る者の想像力にゆだねられている。
なので、この映画をもって「オゾンの誘う新たなる愛のミステリーへようこそ」などと宣伝するのはちょっとどうかなぁ、とギモンに思う。
そういえば「スイミングプール」も、ものすごいミステリーであるかのような宣伝だったけど、その実、ちょっとそれは違っていたような。
とにもかくにも、原題の「5×2」」が一番しっくりくる感じ。
いずれにしても、「8人の女たち」」といい、「スイミングプール」」といい、この「ふたりの5つの分かれ路」」といい、いつもオゾンが、あっと言わせるような趣向を凝らした作品を見せてくれるのは事実。
そして毎回、見終わった後にはいろいろな意味で「うーん」と考え込んでしまうのも事実だけど、でもやっぱりオゾンの作品は、またどうしても見たくなってしまう不思議な魅力があるんだよねぇ。