角田光代「Presents」

昨晩は、ヘアカット結果にイマイチ満足できないまま、青山ブックセンターへ向かった。
たまりにたまった疲労で、もう一歩たりとも歩きたくなかったけれど、できれば今日中に回れるところを回ってしまって、明日は出かけるのやめようかな、と思ったこともあって。
なんで青山ブックセンターか、というと大好きなイラストレーター杉浦さやかさんの「スクラップ帖のつくりかた」原画展が12/8までだったのをふと思い出したのだ。

今回は原画と一緒に、外国のラベルのコレクションなども展示されている。
きれいにファイリングされているラベル。
宇山あゆみさんも昔のシールやら包装紙やらをほんとにきれいに整理してコレクションしているけど、こういうのって性格の違いだろうか。
私は集めるのは大好きだけど、どうにも整理がニガテだ。
でも収集だけに終わると、あとがみられたもんじゃないので、コレクションとはいえないシロモノになる。

そんなことに思いをはせながら、展示を満喫した後は、売り場を1時間ほど徘徊。
そういえば晩ごはんも食べていないなぁ、とぼんやり思いながらふと時計を見ればすでに21時半すぎ。
とにかく何か本を1冊買って帰ろうと物色した中で、とても目をひいたのが角田光代「Presents」。
プレゼントをテーマにした短編集で、各話に松尾たいこ氏のカラーのイラストが添えられている。

元は雑誌連載。
完成した小説に後からイラストをつけるのではなく、あらかじめテーマ(プレゼント)と主人公の設定が松尾氏に伝えられ、角田氏は小説、松尾氏はイラスト、と並行して各々の作品を仕上げたものらしい。
それが功を奏してか、それぞれが作品として独立しているけど不思議な調和があって、ちょっと趣のある本になっているように思う。

本の装丁も気に入ったのだが、カバーが同じく松尾氏デザインで包装紙のようになっている。
もちろんプレゼントにかけあわせたもの。

一気に読み終わってしまったが、角田氏は数々の平凡なシーンを、どうしてこんなにも非凡なものとしてうまく切り取ることができるんだろう。
いつも感嘆するけど、私が彼女の小説が好きな理由はそこにあるかも知れない。

読み終わってから、そう言えば「空中庭園」を買うつもりだったことを思い出した。
ついこの本の装丁にひかれて、すっかりそんなこと忘れてしまっていた。
次はぜひ買おうっと。

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