常連客の憂鬱

行きつけの近所のマッサージ屋に行った。
私はこの店にかなり長く、しかも定期的に通っているので、お店のスタッフの顔はほとんど分かるし、向こうも私を常連客として扱ってくれる。

今日、担当してくれたのは、初めて見る若いおにーさんだった。
他のスタッフは皆、私のひどい肩こり具合を熟知しているので、何も言わずともゴリゴリと力強く押してくれるのだが、お初の彼はどこまで強く押していいのか分からないらしく、何度も「強さはどうですか?」とたずねてくる。

そのたびに「もっと強く」とお願いするも、まだ遠慮がちなので、しまいには「もみ返しこないんで、相当強くてダイジョウブですよ」と言い添えてみた。ようやくいい感じになってきたなーと思ったところで、しばらくして時間終了。

すると、おにーさんが「すみませんでした、自分初めてだったもんで。首すごくかたいんですね」と言うではないか。

「いいのよ。アナタ初めてだったんですもの。私のコリのすごさ分かったでしょ?次からはちょうどいい強さでもんでちょうだいね」

…なんてこと、ワタクシ言いそうな人に見えたのかしら。

もちろんそんなこと言うはずもなく、実際のところは「いえいえいえいえ、こちらこそかたくてすみませーん。いやーすごーく気持ちよかったですよぉ」などと、かえって若者に気を遣ってしまう私なのだった。

ああ、こんなとこで気遣ってたら、よけいまた肩がこりそうだぜ。

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