公開はまだ先かと思っていたら、今週からだったので
あわてて「英国王のスピーチ」を見に行った。
今年5本目の映画です。
そういや、アカデミー賞発表直前。
かなり有力候補だから、発表前に見ておかなきゃ!
と私と同じようなことを考える人が多いのか、
意外と混んでいた。(C葉の昼間の映画館にしては。)
子供の頃からの吃音に悩む英国王ジョージ6世が
オーストラリア人の言語療法士とともにそれを克服し、
ラストには見事なスピーチを披露する。
たった、それだけのストーリーなんだけど、
見ごたえある上質な仕上がり。
私的にはキャストがよかった。
コリン・ファースは、「ブリジット・ジョーンズの日記」で
ヘンなチョッキを着ていたとは思えないくらい、
どこからどう見ても、内気な英国王だった。
ヘレナ・ボナム=カーターも
「アリス・イン・ワンダーランド」の怪演ぶりはどこへやら。
夫を支える、つつましい妻役がぴったり。
それもそのはず、実はこの人、
イギリスの上級階級の出身。
で、ジェフリー・ラッシュといえば、
「パイレーツ・オブ・カリビアン」のバルボッサ!
それがステキな紳士っぷり。
もうひとり忘れちゃいけないガイ・ピアースも。
「メメント」が、エドワード8世…。
思うに、この映画のいいところは、
登場人物のほとんどが善意の人だという点かと。
ま、ジョージ6世の幼少時の乳母とか、
史実はどうであれ、シンプソン夫人とか、
明らかに善意がなさそうな人もいるけど。
時には感情的になっても、
ちゃんと相手を思いやる気持ちが、
それぞれの登場人物にあるから
見ているこちらも安心して見られる。
一方で、イギリスはドイツとの戦争に突入していくのだが、
だからこそ、王とまわりの人々、そして国民との絆に
よけい胸を打たれる気がする。
噂では、ジョージ6世の役は
最初はヒュー様にオファーがいったらしいけど、
ヒュー様じゃなくてよかったと思うよ、正直。
ヒュー様は、「ラブ・アクチュアリー」の
なんちゃって首相が精一杯ではないかと。
さて、賞レースはどうなることやら…?
『英国王のスピーチ』 歯を食いしばっているすべて人へ
人は誰しも苦手なことがある。
職業に就くのも、必ずしも好きだから、得意だからやるわけではない。
たとえ好きなこと、得意なことを職業にしている人だって、その職業で直面するすべてのことを難なく…