カットに行ったついでに(というほど近い距離ではないけども)
ニューオータニ美術館で開催されている
「謎のデザイナー 小林かいち展」を見に行った。
小林かいちの展示を見るのは去年の3月以来2度目。
すでに見たことのある作品が多かったけど、
何度見てもやっぱりいいなぁ。
まさにデザイナーと呼ぶにふさわしく、
絵葉書や、絵封筒といった限られた領域に、
何とも美しく要素を配置している。
星や花の描き方、そして色使いがとても洗練されていて、
おそらく今の時代に店頭に並べてもなんら遜色ないと思う。
そう、色使いがホントに素晴らしいのだ。
くすんだブルーとシルバーの組み合わせには、
ほうっとため息がもれてしまう。
会場は広々としていて、しかも空いていたので
作品をひとつひとつ、じっくりと見ることができた。
しかも最後の10分ほどは閉館間際で場内に私ひとり。
小さな作品たちを思う存分ながめて回った。
入館時にもらったオリジナルの冊子がなかなか充実している。
美術館の学芸員の方が書かれた「小林かいちを知るために」
というレポート(?)がすごい。
絵葉書や絵封筒に残された作者名や、サイン、版元ロゴなど
から、謎のデザイナーの制作の推移を追っている。
ちなみに田舎モンのワタクシ、赤坂見附の駅を出て、
ニューオータニがどっちだか分からなくなってしまった。
立ち止まって、考え込む私に
「ニューオータニはどちらかしら?」と尋ねたおばさま。
聞いた相手が悪かったですね…。
「こっちです…かね?」と私が答えた方向はまるで逆。
無事にオータニにたどりつけましたでしょうか。