タクシーの車窓から

先週の金曜はどうにも仕事が終わらず、会社を出たのが1時。
さすがに電車はないので、タクシーで帰宅。

今の会社に入って間もない頃、
何度かタクシーで帰宅したことがあるけど、
あまりの疲労とあまりの遠距離のせい(?)で、
車酔いしたことがあって、それ以来、遅くなってもできるだけ
電車で帰るようにしていたので、今回久々のタクシー。

通りに出て、向こうからきたタクシーにボーっとしながら
手をあげたら、近づいてきたウインドウには「回送」の表示。
それでもドアを開けてくれたのだが、
固辞する私に運転手さんが
「これから帰るので行き先によっては」とのこと。

行き先を告げると、
「そちら方面なら大丈夫です」

「たぶん寝ちゃうので高速降りたら起こしてください」
とお願いすると
「では少し大きい声でお声がけしますね」
となかなか紳士的。
そのあとは、いっさい何もしゃべらず、
ほうっておいてくれたのですぐにウトウトしてしまった。

ふと、
あまりの明るさに目を開けたら、目の前に東京タワー。
しかもオリンピック招致の願いをこめた五輪バージョン。
赤や青や緑の光がシャワーのようにふりそそぐ。

突然、頭の中に先週のライブで聴いた福山の
「東京にもあったんだ」がぐるぐると流れてしまった。
私はいちおう東京出身だし、
この歌のシチュエーションとはまったく違うのだけど。

いつも電車で帰るときは、ぐったりとして車窓の風景なんて
見向きもしないけど、こうしてタクシーの車窓から見る
東京の夜景はキラキラしていて、とってもきれいだった。

東京にもあったんだ、こんなきれいな夜景が。

ひとしきり寝て、偶然、高速出口で目を覚ました。

「あ、ちょうどお声をかけようかと思ったところでした」
「東京タワー、五輪バージョンなんですね」
「そうなんですよ。でも私はふつうのライトアップが好きです。
そのほうがタワーのシルエットがきれいに見えますからね」

確かにそうかもしれない。
五輪バージョンも華やかだったけど、
ちょっとおめかししすぎにも見えたりして。

さらに、私がさっき思ったことを見透かしたかのように、
「高速からの東京タワーはきれいでしょう?
タワーだけじゃなく、
高速から見る東京の夜景はなかなかきれいですよね」

最後までとっても紳士的な運転手さんで、
お迎えの車で帰る金持ちみたいな気分を味わえた。

もちろん、タクシー代は支払ったけど。

タクシーの車窓から” への2件のフィードバック

  1. もぃ のコメント:

    すてき体験。
    なんだか歌詞みたい。
    いっぱい働いた「ご褒美」ですね。
    おつかれさまで~す。

  2. まきまき のコメント:

    {りんごちゃん}もぃさん
    会社があるあの街は、いまだに好きになれないけど、
    都会ってのもまだまだいいとこあるじゃん!って感じたひとときでしたよ。
    都内にいても、意外と見る機会ないよね、東京タワーって。

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