花よりもなほ

今年28本目の映画「花よりもなほ」を友人と見に行った。

仇討ちの話だけど、斬り合うシーンはまったくない。
血も(ほとんど)飛ばない。

でも江戸時代の貧乏長屋に住む人々を生き生きと描いたこの群像劇は、時代劇が好きな人もキライな人も、おそらく誰もが楽しめるのではないかと思う。
まさに是枝監督自身が目指したとおりのエンターテインメント作品という感じ。

岡田君演じる主人公・宗左衛門はもちろんよいのだけど、彼を取り巻く登場人物もかなりよい。
演じている俳優陣が多彩なのもすごいけど、さらに一人一人の性格やエピソードがしっかりしていて、キャラクターが確立されているので、見ていても分かりやすいし、それがテンポのよさにもつながる。

ファンのひいきめもあると思うけど、岡田君はよかったなぁ。
「フライ、ダディ、フライ」の時と同様、パンフレットや雑誌のインタビュー等を読むとよく分かるが、この人の演技に対する姿勢はほんとにスバラシイと思う。
今回も、長屋に住む武士の放つちょっとした違和感だとか、体の重心をどこに置くかとか、刀を見せることの意味だとか、私が何気なく見ていたシーンも、かなり計算しつくされている。
役になりきるために、自分なりに悩みに悩んで、その中からオリジナルの解を得ていく様は、ちょっと宗左衛門に通ずるところがあるのかも。

新聞か何かで読んだのだが、是枝監督は敵討ちをしたくないという主人公の考えには、9・11以降、世界に広がった復讐や憎しみの連鎖を断ち切りたいという思いをこめたとか。
これもパンフレットを読むとよく分かるけど、是枝監督もかなり緻密に計算しながら、脚本・監督をこなしている。

だからこそ見終わったとき、ほのぼのした気分になると同時に、人間誰しもネガティブな感情を抱える時があるけど、ただ衝動のままに行動するんじゃなくて、それを受け入れてポジティブな感情や行動に変えていくこともできる…そんなメッセージ性も強く感じた気がする。

トリック劇場版2

今年27本目の映画となる「トリック劇場版2」をダンナと見に行った。
ま、初日に行かなくてもいいのだが、ダンナが「トリック」好きなもので。

前回の劇場版は4年も前になるんだなー、としみじみ。
ドラマスタートは2000年だから、その間に仲間由紀恵はほんとに出世したなぁ。
でも、大河女優になろうが、奈緒子を演じられるのは彼女しかいないし、しかも期待どおり変わらぬ奈緒子を演じてくれるから、何というか、見ているこちらも「帰ってきたなぁ」と嬉しくなってしまう気がする。

とはいえ、今回はFinal(?)ということで、トリックオリジナルの過去ネタもおり込まれつつ、さらには懐かしいギャグがてんこ盛りで、果たしてどれだけの人がついて来れるのかしら…という感もあり。
やっぱり私の周りでも、片平なぎさの手袋ネタを知らない人がいるし。

そういう意味でも、今までの作品の中では、どうもキレがイマイチかな、というのが個人的な感想。
最近、再放送していた過去のドラマの方が、何度見ても楽しかったりして。

でも、奈緒子と上田のかけ合いが、これで見られなくなるのは寂しい。
まぁ、これでホントにシリーズが終わっちゃうことは無さそうな気がするけど。

今回は飛躍的な成長を遂げ、読み間違いが大いに少なくなった奈緒子の、今後のさらなる成長ぶりも見たいし。
通信教育のわりには、スゴイ技までも身につけている上田の空手もまだまだ見たいし。
今回、ちっとも絡んでない奈緒子&上田vs矢部のやり取りも、もう一度見たいし。
そういや、今回取り壊された池田荘のリニューアル後の姿も見たいし。

相変わらずドアは壊れているけど、次郎号はまだ走れそうだから、ちょっぴり期待してもよいのかも知れない…。

トランスポーター2

見たい映画がたくさんあって困る。
しかもどんどん見ないとすぐに終わってしまうし。
今週納期の仕事を抱えていたりするので、映画を見ている場合じゃないんだけど、見ないと後悔するし。

で、仕事は放り出して今年26本目の映画となる「トランスポーター2」を友人と見に行った。

それほど期待しないで見た前作に、思いのほかハマってしまった私たち。
このパート2の公開をずっと心待ちにしていたのだが、今回も期待どおり楽しめた。
カーチェイスやアクションも、ここまでやっちゃうとかえって爽快感があるというか。
「んな、バカな」というつっこみはあえてせずに、ただひたすら「すげー」と口をあけて見るのが正しい楽しみ方だと思う。

そう、細かいことつつき始めたらキリがないのだ。
ラストだって、どうやって皆を救ったのかは大きな謎。
でもそんなこと気にせずに、不死身のフランクことジェイスン・ステイサムにうっとりするのがよい。

ジェイスン・ステイサムはしゃくれがちょっぴり気になるし、それほど美男子だとも思わないけど、さすが元水泳選手、身のこなしや立ち居振る舞いがカッコいい。
また、自分の信条に背くことなく、女性の誘惑にさえなびかないクールな面を保ちつつ、でも子供のクイズの相手はしっかりつとめるフランクは、ただのサイボーグっぽいキャラに終わらず魅力的だと思う。

どうせ死なないことは分かっているのに、「守れない約束はしない」というフランクのセリフにいちいちしびれてしてしまった私。

そんなフランクの活躍をもっと見たい~。
というわけでパート3を期待。(ありそうだけどね。)

映画がなくちゃ生きていけない!

…というのは先日買った「FRaU」のキャッチ。
「FRaU」と「CREA」は、毎年6月と12月に映画特集が出る。
毎回ほぼ同じタイミングなので、両方買って、ここしばらくの映画スケジュールを考えるのが私の常。
毎度おなじみ、スター恋愛相関図や、ゴシップ記事も楽しい。

今回は表紙が岡田くんとジョニー。
うふふ。
飾っておくのにもいいわ。

デイジー

フラワーアレンジメントの後は今年25本目の映画となる「デイジー」を見に行った。
ホントはずっと風邪が治らないので、早く帰った方がよいのだが、友人と約束していたし、土日にたっぷり寝ればいいや、ということで決行。

それに、チョン・ジヒョンチョン・ウソン、そして監督がアンドリュー・ラウ、脚本がクァク・ジェヨンと来たら、この映画、見逃すわけにはいかないので。

チョン・ジヒョンは、いつも思うけど、映画によって、またはシーンによって、さまざまな表情を見せる女優だと思う。
正直、あんまりかわいくない表情の時もあるけど、それでも、どこか人をひきつける魅力がある。
「猟奇的な彼女」も、他の正統派な美人女優や、かわいいだけの女優が「彼女」を演じても、ああは魅力的な役柄にならなかったと思う。

チョン・ウソンは、私としては、「MUSA-武士-」で気になり、「私の頭の中の消しゴム」でさらにハマった感があるけど、今回もやっぱりカッコいい…。
でも、「私の頭の中の消しゴム」の男泣きにはちょっと及ばない。

それぞれの登場人物の隠された秘密が、各自のモノローグによって語られながらストーリーが進行していくので、話は比較的分かりやすい。
でも、もうちょっと隠しておいて、後半で一気に明らかになったほうが、おもしろかったんじゃないかなぁとも思ったり。
アンドリュー・ラウ×クァク・ジェヨンの作品にしては、少し物足りない感じがしたのは、私の期待しすぎのせいかな。

見終わって友人がひとこと、「このヒロイン、あのふたりに会わなければこんな運命にならなかったのにね」。
まさにそのとおりなんだけど、まぁ、それを言っちゃあ、この映画が成り立たなくなるしね…。

嫌われ松子の一生

今日は今年24本目の映画となる「嫌われ松子の一生」を見た。

「嫌われ松子の一生」は単行本が出た時に買って読んだ。
山田宗樹の本はそれまで読んだことがなかったし、そもそも、たいていは文庫本が出るまで待つ私が、読んだことのない作家のハードカバーを買って読むなんて、かなーり珍しいことである。

でも新聞の広告でこの本を見かけた時、妙に気になり、本屋で軽く立ち読みした時には、さらに気になって買わずにはいられなかった。
それほど、主人公・松子の一生は、これでもか!というくらいの不幸に満ち満ちている。

これが映画化されると聞いて、どんな暗い映画に仕上がるのかと思いきや、予告を見たら極彩色に彩られ、登場人物が歌って踊る映画になっていた。
監督は「下妻物語」の中島哲也と知って、ちょっと納得。

でも、こりゃあ、原作とはえらく違うものなっているんだろうなぁと思って見に行ってみたら、意外や意外、話の筋や登場人物はわりと原作に忠実だった。(笙と明日香は人物描写や設定がちょっと違うけど)

しかし、よくもまぁこれだけいろんな人集めたなぁというくらい、多くの俳優・タレントが続々登場する。
でも、私が本を読んだ時のイメージに近い人たちがキャスティングされているように思えたので、スクリーンをながめながら「ふむふむ」と思わずうなずいてしまったりした。

そういう意味では、先に本を読んでおいて正解だったかも知れないな。

ブロークン・フラワーズ

今日は今年23本目の映画となる「ブロークン・フラワーズ」を見た。

しかし、ビル・マーレイは、どうしてこんなに困り顔が似合うんだろう。
「ロスト・イン・トランスレーション」の時の役柄もそうだったけど、カッコいいというよりは、むしろさえない中年男なのに、なぜかそんな彼に女性達はひかれるらしい。
この映画の主人公ドンも、「ドン・ファン」として浮名を流していたなんて、にわかには信じられないが、「実は息子がいた」という告白の手紙を受けて訪ね歩く歴代の彼女は確かに美女ばかり。
きっと彼女たちをとりこにしちゃう魅力が何かあるんだろうなぁ。
それにしても、シャロン・ストーンも、ジェシカ・ラングも、年をとってもやっぱりきれいなのには感心。

ドンが青年に「過去よりも未来よりも、今が大事なんだ」というようなことを言っていたけど、確かに過去を振り返っても、どうにもならない。
未来に期待してみたところで、今がなければ、未来も無いわけだし。
ドンは自分探しの旅の結果をふまえた上で語っているせいかもしれないが、このくだりの彼は、とっても魅力的に見えた。

ちなみにドンの色違いジャージの着こなしにも、ちょっとひかれてしまった私…。
やっぱりビル・マーレイはあなどれない。

間宮兄弟

今日は今年22本目の映画となる「間宮兄弟」を見た。

天気も悪かったし、ほぼ1日家にひきこもっていたのだが、夜は映画でも見に行くか、ということで外出。
同じく本日公開作品の「ナイロビの蜂」「明日の記憶」も候補となったんだけど、私もダンナもちょいお疲れぎみだったので、ゆるく見られそうな「間宮兄弟」をセレクトした。

江國香織の本は、何冊か読んでいるけど、この「間宮兄弟」は、映画化されるというのであえて読まずにいた。
なので、この映画がどれくらい原作に忠実なのか分からないけど、映画は映画で森田作品として仕上がっているなと思った。

とにかく音がひんぱんに出てくる。
兄・明信(佐々木蔵之介)のカラダの関節はボキボキと音をたてる。
弟・徹信(塚地武雅)は、菓子などの小袋を小さいはさみでシャキシャキと切って封を開け、ついばむように食べる。

さらには、母(中島みゆき)のまばたきがパチパチと音をたてたりするなど、ちょっと過剰に音が挿入されているのだが、かえってそれが現実離れしていていいのかも。
だって、こんな兄弟、身近にいそうで、実はいないような気もする。
ふたりいつまでも仲良く暮らしていて、オタクっぽいけど行きすぎず、気軽に家に遊びに行けちゃうような30過ぎの独身兄弟なんて、現実にはそういないだろう。

結局彼らには彼女ができるわけでもなく、二人で暮らすのが一番だね、という結論に至るわけだが、このあたりだけ、イヤに現実的でちょっぴり残酷なのは江國作品ぽいかも知れない。

ちなみに後に座っていた男性が靴を脱いで足を上げていたようで、上映中、強烈なニオイに悩まされた。
うーん、まさににおい付き映画

…でも間宮兄弟は、意外とにおわなそうだな。

プロデューサーズ

今日は今年21本目の映画となる「プロデューサーズ」を見た。

ミュージカル映画は、それほど好きなわけではないけれど、この映画の場合、登場するキャラクターがいずれも個性豊かな面々なので、突然踊ろうが、歌おうが、かえって違和感がないように思う。
そんなこんなでひきこまれつつ、見終えてみれば上映時間134分、意外と長い映画なのである。
友人いわく、「たいしたストーリーじゃないけど、歌って踊るとやっぱり時間かかるんだね…」。

ともあれ、去年何回かお見かけしたウィル・フェレルは、またまたいかれた役を好演していた。ここまでいっちゃってる方が「奥様は魔女」の時より、断然いいのでは?と思う。

それにしてもユマ・サーマンはびっくりするほど背がデカい。
かなりきわどい服やら、ポーズやらを連発なのに、それほどいやらしくないのは、そのデカさとスリムさゆえかな。

ファイヤーウォール

今日は今年19本目の映画となる「ファイヤーウォール」を見た。

テレビでもそんなコメントを聞いた気がするけど、確かにハリソン・フォードが老体にムチ打って()とっても頑張っちゃっている映画だった。(ちょっと痛々しい気すらしたのだが。)

私も一緒に見た友人も、タイトルから想像するに、もっと高度な頭脳戦が繰り広げられるのだろうと信じ込んでいたのだが、どっちかっていうと、アタマ使うよりは、銃で撃っちまいなという感じの激しい映画だった。(なので、実はすっごい疲れた…。)

ポール・ベタニーは冷徹なキャラがなかなかお似合いだったけど、送金のからくりとかはすべてハリソン・フォード演じる主人公や手下におまかせで、よく考えたら実はコイツが一番アタマ悪いんじゃないのと思ってしまったのは私だけかしら…。